こんにちは!ジェイです。
突然ですが、今、あなたは自分が作っているゲームのユーザーをイメージできてますか?
ゲームを作る上で大事なのは、「誰にどんな体験をさせたいか?」というのがまずあって、ゲーム性や世界観や操作性だったりします。
この部分は、とても大事でこれがないとその場で思いついた部分的な面白さをつけたしたりしたくなって、最初に作りたかったゲームが自分でもわからなくなって、結局はゲームが完成しないということになりかねません。
しかし、実はまだ他に大事なことがあってそれは「ターゲットとなるユーザーのイメージ」です。今回は、そのターゲットとなるユーザーをどのようにイメージしていけばよいか?というテーマを考えてみましょう。
まずは、ターゲットとなるユーザーを分けてみると「ライトユーザー」と「ヘビーユーザー」になります。
ゲーム制作をする時にライトユーザーとヘビーユーザーのどっちを狙うべきか?
これを知るためにまずはライトユーザーとヘビーユーザーの特徴を上げてみます。
ライトユーザーの特徴
・カジュアルで比較的とっつきやすいゲームを好む
・ヘビーユーザーよりもユーザー数は多い
・ゲームプレイ時間は比較的短い
・周りに影響されやすくて飽きやすい
ヘビーユーザーの特徴
・競技性が高く実力が反映されるような仕組みを好む
・ライトユーザーよりもユーザー数は少ない
・ゲームプレイ時間はライトユーザーよりも長い
・自分の好きなゲームをやっていて飽きにくい
この特徴を見た時に、あなたの作っているゲームは、どっちのユーザーをターゲットにする方がいいと思いましたか?
実は、ここがかなり大事なポイントで、ターゲットにするユーザーをライトユーザー向けにするか、ヘビーユーザー向けにするかで、あなたの作ったゲームの運命を大きく左右します。
まずは、ライトユーザーにターゲットを当てた場合を考えてみましょう。
ライトユーザーはヘビーユーザーよりも数が多いので、もし自分のゲームに興味を持ってもらえた場合は、たくさんプレイしてもらえる可能性が高くなります。
たくさんプレイしてもらえると相乗効果で動画や配信して、注目を浴びてさらにプレイしてもらえる可能性が上がることもあるでしょう。
そして、その内のどちらがいいか?と悩んだ結果に両方狙った方がいいという意見があると思います。もちろん、同時に両方狙えるのであれば、それにこしたことはないです。とはいえ、ほぼライトユーザーとヘビーユーザー両方をターゲットにできない理由があるんです。
ライトユーザーとヘビーユーザーを同時にターゲットにできない理由
ライトユーザーは、カジュアルで比較的とっつきやすいゲームを好んで、ヘビーユーザーは、競技性が高く実力が反映されるような仕組みを好む、というのを前に述べました。
言い換えてみると、比較的にライトユーザーは簡単なゲームを好み、ヘビーユーザーは難しいゲームを好むということになります。
簡単であって難しいゲームというのは相反する要素なので、絶対に作ることができません。
もちろん、難易度の調整はゲーム制作者側でできるので、難易度設定などの項目を追加して幅広いユーザーを狙うこともできないことはないです。
ですが、システムを考える上では、ライトユーザーかヘビーユーザーかどちらかに絞らざる負えません。
ストリートファイター6がライトユーザーとヘビーユーザーを同時に取り込むのに成功した理由
ストリートファイター6は、近年の格闘ゲームの中でもかなりのヒットしてますが、成功した一番の要因に「モダン」というシステムにあります。
「モダン」のおかげで、格闘ゲームの敷居の高さであるコマンド入力をワンボタンで出せるようにして、ライトユーザーでも簡単に手を出せるようになりました。
もちろん、一部のヘビーユーザーで批判的な意見をする人もいるようですが、以下の記事を見ても格闘ゲームの基準で見てみれば、かなり成功しているといえます。
カプコンはこの仕組みのおかげで、今までは敷居が高かったはずの格闘ゲームで、相反するライトユーザーとヘビーユーザーを取り込むことに成功しました。
この成功した要因は、もちろん他のゲームを作る時にもとても大事なので、ゲーム制作者は、ぜひ押さえておきいたところです。
ここまでで、
・ライトユーザーとヘビーユーザーの違い
・ライトユーザーとヘビーユーザーを同時にターゲットにするのは難しい
ということを述べました。
次にライトユーザーをターゲットにした時とヘビーユーザーをターゲットにした時の違いを考えてみます。
ヘビーユーザーをターゲットにした場合
みなさんはこれはハマったなと自分で思えるゲームはありますか?
私の場合は、以下のゲームにハマったと言えます。
1.歌謡タイピング劇場 2007年~2024年 17年間
2.鬼斬 2015年~2017年+2023の7月~12月 2年と半年
3.グランドセフトオート5 2015年~2017年+2023の1月~3月 2年と2カ月
上から順番にやりこんだゲームです。
課金額になると鬼斬が一番ですが、プレイ時間ではぶっちぎりで歌謡タイピング劇場が一番長いです。17年間でやったりやめたりはしてますが、間違いなく私が今まで人生で一番長くプレイしたゲームです。
2018年度に私がタイピングした打鍵数が1年間で1500万打鍵で、今のタイピングスピードでかな入力だと大体1時間で2万打鍵ちょっとで英語だと3万打鍵くらいです。
1時間2万打鍵で計算すると、1年間で大体750時間くらいタイピングしてる計算になりますが、今考えてみると我ながらすごい…
もちろん、PC使っている時にタイピングしたすべての打鍵数を含むので、純粋にタイピングの練習をしただけではないです。
ただ別に自慢したいわけでなくて、ここで一番言いたいことは、今まで長期間やっていたゲームはこれからもやり続ける可能性が高いということです。
現在では、私はどんなゲームでもすぐ飽きてしまいますが、たぶん10年後でもタイピングだけは続けてると思います。この1つのジャンルのゲームをかなり長期間プレイするというのが、ヘビーユーザーの大事な特徴です。
つまり、ヘビーユーザーの心に刺さるゲームを作れれば、長期間プレイしてもらえる可能性が高いってことです。
ライトユーザーをターゲットにした場合
ライトユーザーがゲームを始める時にどんな理由やどんなモチベーションで始めるでしょうか?
それを考えるために、先週の土曜日の配信で私が言ったセリフを思い出してみます。
「ターゲットとなるユーザーが40代で10歳からゲームを始めた人」=ファミコン世代からのゲームユーザー
「ターゲットとなるユーザーが40代で20歳からゲームを始めた人」=プレステ世代からのゲームユーザー
「ターゲットとなるユーザーが40代で30歳からゲームを始めた人」=最近のゲームから始めたゲームユーザー
この時になぜ、40代で40歳からゲームを始めた人を入れてないのでしょうか?
理由は簡単で、40歳で昨日からゲームを始めた人と30歳で昨日からゲームを始めた人の違いってあまりないので、そのようなライトユーザーは考察する価値がないんですよね。
そして、実はライトユーザーであればあるほどある特徴があることに気が付きます。
パルワールドのプレイヤー数減少から見る世の中の動向
以下の記事を見てみなさんはどう思われたでしょうか?
最初に言っておきますが、パルワールドの人気が落ちたとかそんな主張をするつもりはまったくないです。むしろ、ゲーム内の問題よりも今の世の中の需要について考えるべきだと思ってます。
パルワールドのプレイヤー数が急降下した理由を引用します
これほどの急降下が問題である理由として、『パルワールド』が一度限りのシングルプレイタイトルではないことがある。同作の主な魅力は、マルチプレイサーバーで遊べるサバイバルゲームであることだ。シングルプレイで遊んだとしても、レベルを最大まで上げたり、広大な拠点を建設したり、全種類のパルを収集したり、配合と繁殖で最強のパルを作ったりと、膨大な時間と労力のかかる最終目標がある。しかし、140万人ほどのプレイヤーは、大きな話題を呼んだ同作がどんなゲームかを一通り確認した後、すぐに離れてしまったようだ
つまり、ライトユーザーであればあるほど、すぐ飽きてやめてしまうし、その時の世の中に流されやすいんです。
更にライトユーザーがゲームを始める理由も、周りがやっていたからという理由が大きいです。学校の友達がやってるから、ネットで話題になってるからやってみたいというのは、ライトユーザーのゲームを始める一番の動機になりますよね。
まとめると
・ライトユーザーは周りに影響されてゲームをプレイするしすぐやめてしまう可能性が高い(他人軸で判断する)
・ヘビーユーザーは自分の軸でプレイするゲームを決めるし長続きする可能性が高い(自分軸で判断する)
現在の世の中と1990年代の世の中のモチベーションの違い
1990年代に一世を風靡したストリートファイターⅡの話を参考に2024年現在のライトユーザーのモチベーションを比べてみます。
【アプデの頻度?】ウメハラ「プロはライト勢の3倍やってる」【スト6・梅原・格闘ゲーム】 - YouTube
この動画で注目したいウメハラの発言は「あんなに流行ったストⅡでさえライトユーザーの賞味期限は2年なんですよ。」
ゲームの賞味期限が2年って長くない?と思った人もいるでしょう。確かに現在だとその通りだと思います。
パルワールドのライトユーザーの賞味期限を見てみると、現在では2週間で1990年代では2年間という違いに気づくでしょう。
もちろん、状況がまったく違うので、単純な比較はできないですが、世の中のモチベーションを1990年代と2024年を比べてみると2024年現在の方が、ライトユーザーの賞味期限が圧倒的に短いのがわかります。
この特徴は、ニュースなどを見ててもすぐにわかることで、今の世の中の方が30年前よりも、話題の持続性がまったくなくなっているのを改めて痛感しています。
現在の方がゲームがたくさんあるし、SNSなど他のコンテンツで満たされてゲームを作りやすい環境になったがゆえにユーザーのモチベーションが低くなるというジレンマを、常にゲームクリエイターは抱えているんですよね。
まとめ
最初にライトユーザーとヘビーユーザーの特徴を上げてから、1990年代と2024年現在のライトユーザーの特徴の違いを考えてみました。昔を思い出して今と比較してみると、ライトユーザーはとんでもない早さで飽きるようになってます。
それは自分自身も同じで、昔はわざわざゲームショップに買いに行ってやりこむくらいだったのに、今はゲームをプレイする前に動画を見ただけで満足してしまうことも多いです。おそらくこのような経験をしてる人は多いのではないでしょうか。
・ゲームをプレイしても3秒で飽きてしまうライトユーザー
・ゲームをプレイしたら10年以上続けるヘビーユーザー
あなたはどっちのユーザーをターゲットにしますか?
という議題を投げかけてこの記事を終わりにします。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。