こんにちは!ジェイです。
突然ですが、あなたは1つのゲームが完成するまでの道のりをイメージできますか?
1人でモクモクとゲームをつくる人
チームで相談しながらゲームをつくる人
配信をしながらゲームをつくる人
と色々なゲームクリエイターがいて、完成するまでには、ゲームの数だけあらゆる物語があります。
今回の話は、とあるタイパー達の情熱がゲームクリエイターの心を動かして「かな入力対応のオンラインバトルタイピングゲーム」ができるまでの物語です。
始まりはタイピング最速王者を決める大会
時は遡ること2024年3月9日
この日、タイピング日本一の王者を決める大会のREALFORCETYPINGCHAMPIONSHIP2024が行われました。
この大会に出場するには、まず予選のe-typingの腕試しのスコアで上位に入らなければならないのです。
具体的には
・2月6日~2月12日の間の第一回オンライン予選にて、ローマ字入力の上位6名、かな入力の上位2名
・2月13日~2月19日の間の第二回オンライン予選にて、ローマ字入力の上位6名、かな入力の上位2名
合計16名がRTCの出場権を手に入れられる狭き門です。
その予選結果が以下の通り
参加者数 計 12495人
第一回のローマ字入力の参加者数6492人の平均スコアが266.1pt
第二回のローマ字入力の参加者数5848人の平均スコアが245.86pt
第一回のかな入力の参加者数80人の平均スコアが244.15pt
第二回のかな入力の参加者数75人の平均スコアが232.33pt
という平均スコアと比べてみると如何にレベルが高い予選なのかがよくわかります。
この16人で本戦が行われて、決勝ステージはオフライントーナメントで、会場は日本テレビ社屋で大会の様子は、YouTubeでも配信されました。
そして、このRTC決勝戦がとあるゲームクリエイターにある強い決意をさせたのです。
RTC本戦
このRTCというタイピング日本一を決める大会は、2017年、2018年、2019年、2023年と過去にも4回行われました。
このすべての大会を圧倒的な力で制したのが、タイピングの女王miri選手でした。
彼女がタイピングの女王と呼ばれる由縁は、このRTC連覇にあるのです。
過去のRTCでとあるかな入力のタイパーが思ったこと
この過去のRTCの大会をずっと見ていて、悔しい思いをしていたとあるゲームクリエイターがいました。
このゲームクリエイターは、長い期間かな入力でタイピングの練習をしていたのです。
しかし、世の中には、自分よりもずっとタイピングが早くて、自分よりもずっと成長の早い人が周りにたくさんいて、いつも悔しい思いをしていました。
タイピング自体は、成長を実感できた時には、喜びを感じる一方で、高いレベルの周りのタイパーと比較してしまって、落ち込むという日々です。
けれども、ここまでは、自分自身の問題で、「練習が続かなくて努力できない自分」に対してのものだったわけです。
しかし、とあるかな入力のゲームクリエイターの劣等感はこれだけではありませんでした。
かな入力の劣等感
イメージしてみてください。
例えば、もしあなたが柔道をやっていたとしましょう。
そして、総合格闘技の試合をやって、空手の初心者と総合試合で戦って勝ちました。
その時に、空手の初心者から「柔道なんてずるい!空手には投技はないし」と言われたらどんな気持ちになるでしょうか?
いやいや、総合格闘技の試合でルールも守ってるんだから、そんなこというのだったら柔道を使えば?と思いますよね。
この例えみたいな極端なことはあまりないですが、タイピングに関しては、やってない初心者がわからないという状況は、よく起こります。
しかし、かな入力のタイパーは、この例えに近いことを普段から言われたり、誤解されたりします。
具体的には、一生懸命に練習していても、初心者には「かな入力だから速いんだ!」と言われたりするんですよね。
でも、実際は、タイピングの速さと入力方式はまったく関係なくて、本人の練習量や試行錯誤の回数に関係するものです。
しかし、この事実はタイピングを本気でやってない人にはわからなくても普通のことで、言ってる人たちも悪気があるわけではないのは大半です。
かな入力の人数自体が少なく、理解できる人は非常に少ないし、かな入力のタイピングゲーム自体少ない。
こんな状況の中で、とあるかな入力のゲームクリエイターは、Unityでタイピングゲームを簡単に作れるようにしたいと思いタイピングゲーム制作用のタイピングゲームエンジンを作りたいと思うのでした。
J-TypeEngine制作開始
時は2024年3月31日
この日から、Unity用タイピングゲームエンジンのJ-TypeEngineの開発が始まりました。
最初のうちは.NET Frameworkで作ったJ-TypeMkⅢをベースにUnityに移植していく形をとることに。
happynetwork2019.hatenablog.com
しかし、いきなり以下のような問題が発生しTwitterで質問すると・・・
Unityのキー取得で以下のキーの取得方法がわかる人いませんか?
— ジェイ@ゲーム制作 タイピング (@JY20160816) 2024年3月31日
InputSystemも探したけどまったく見当たらなかったです><
これだとかな入力のタイピングソフト作れないですね💦#Unity pic.twitter.com/1fGuiqSIRq
この問題は、英字キーボードでは、まったく発生せずに日本語キーボードのみで発生する問題のようです。
この時は何とか以下のようにTwitterで方法を教えてもらいなんとか解決できました。
2021.3.9f1ではOnGUIで,
— Aseteyan (@Aseteyan) 2024年3月31日
EventType.KeyDownかつe.shiftがfalseのときに
if ((e.keyCode == KeyCode.Backslash && e.functionKey) || e.keyCode.ToString() == "226") {
// ろ
} else if (e.keyCode == KeyCode.Backslash) {
// ー
}
とすることで判定できてます!
他の環境でも何度も作ってきたタイピングゲームだけど、こういったUnity独特のキー取得の問題やキーコードの問題が何度も何度もたちはばかりました。
入力を取得するだけなのに初日からなんて大変なんだ・・
この後にもこのような問題がいくつも起きて「とある事実」に気が付きます。
Uniryでかな入力のタイピングゲームがほとんどないのは、「かな入力に対応するのがローマ字入力に対応するのに比べて大変だから」という事実をUnityでプログラミングしてみて初めて気づくのでした。
そして、様々な出来事がありながらもなんとか完成して、2024年4月20日にYouTubeライブ配信で配布することに!
今日配信に来てくれたみなさんありがとうございました😊Unity用のタイピングゲーム制作用J-TypeEngineの配布が無事できました~✨
— ジェイ@ゲーム制作 タイピング (@JY20160816) 2024年4月20日
タイピングゲームを作りたいUnityユーザーのみなさんYouTubeの配信の解説を見てからぜひ使ってください!👍 https://t.co/E8VZJ6hhk7 pic.twitter.com/vN85KcVoVr
ここまでで、とあるかな入力のゲームクリエイターは、ほっと息を付き誰かにこのJ-TypeEngineを使ってもらえることを願いながら、3週間の制作期間に一区切りをつけました。
あまり早すぎるがさっそく登場したJ-TypeEngine第1号のタイピングゲーム
そして、なんとJ-TypeEngineを配布した翌日に、絡繰くろあさんが「TYPING SPEED BATTLE」のアルファ版が公開されました!
拙者のゲームが「J-TypeEngine」を搭載したタイピングゲームの第一号になりました!
— 絡繰くろあ🥐Unityゲーム開発V (@karakuri_colla) 2024年4月26日
順調にいけば、日曜あたりにオンライン対戦に暫定対応したアルファ版を公開できそうです⌨️٩( ‘ω’ )و🥐 https://t.co/GQMzYoa5n2 pic.twitter.com/qMPO0izoIq
J-TypeEngineの説明と配布をした後に、ここまでのタイピングゲームをたった1日で作ってしまう絡繰くろあさんの技術と情熱には驚かせられるばかりですね。
そして、さらにわずか1週間後には、オンライン対戦の機能が実装されました!
おはくろわっさん🥐
— 絡繰くろあ🥐Unityゲーム開発V (@karakuri_colla) 2024年4月28日
今日は 20:10 から、「J-TypeEngine」で作ったタイピングゲームのアルファ版公開とオンライン対戦デバッグをやっていきます!
1バトル2分程度の予定なので、お気軽にご参加いただけますと幸いです((꜆꜄`•ω•)꜆꜄꜆⌨️🥐https://t.co/0ptyh0gC9E#おはようVtuber pic.twitter.com/u72U93o3Hx
Discordの開発メンバーとの協力作業
4月28日
絡繰くろあさんのリスナー参加型のデバッグ作業配信が終わり、それと同時にDiscordのメンバーとの情報共有が始まりました。
このDiscordのメンバーは、J-TypeEngineの制作者や絡繰くろあさんや主にUnityやUnrealEngineでゲーム制作をしている個人ゲーム制作者達が集まっています。
そして、このメンバー達が協力して、一気に「TYPING SPEED BATTE」の完成度が高まりました。
おはじぇーしー✨今日は20時から絡繰くろあさん作 TYPING SPEED BATTE(リスナー参加型オンラインバトルタイピングゲーム)の配信します(^^) 興味がある方はぜひ参加していただけると嬉しいです~♪ https://t.co/AsMJy8t4Jn#おはようVtuber pic.twitter.com/PHkOrPRMH7
— ジェイ@ゲーム制作 タイピング (@JY20160816) 2024年5月11日
この裏でのたくさんのやりとりが、かな入力対応のオンラインバトルタイピングゲームができるまでに重要な役割を果たしたのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回の物語で
・Unityでかな入力対応のタイピングゲームを作るのは大変
・ゲームができるまでの物語には様々な人達が関わっている
ということを語ってきました。
タイピングゲーム1つ作るにしても
・タイピングゲーム用のゲームエンジンを作る人
・タイピングゲームを作る人
・そのゲームをプレイする人
などのたくさんの人達の力が合わさってようやくできるんです。
これは個人で作ってるゲームも同じで、実は1人で作ってるように見えても、そのゲームの絵や音やモデルや使ってるゲームエンジンなど、様々なものを使って作っていますよね。
その数だけ、物語があるけど、普段はその物語を見ることはあまりできません。
今回はその物語の一部をお伝えしました。
それと、タイピングゲームに限らずすべてのゲームは、作る人の心や体のエネルギーを燃やしながらできています。
このことをプレイヤー(受ける側)が意識できると幸せな世界になるんではないかなと最近良く思います。
今度は、あなたが作ったゲームの物語を伝えて欲しいなと思いつつもこの物語は一旦ここで終わりとします。
ここまで読んでくれたみなさんありがとうございました!